爪の白い縦線(縦じま)は病気のサイン?

爪は、全身の健康状態のバロメーターにもなるとよく言われますが、白い縦線(縦じま)が何本も入っているのを見ると、体のどこかに異常があるのではと、ちょっと心配になります。しかし、この縦線は、主に乾燥と老化が原因で現れるものなので、病気ではありません。

普段はあまり意識することはありませんが、爪は皮膚が変化してできたもので、指先を守る役目があります。爪がなければ、私たちは物をつかむこともできません。

爪の主要成分は「ケラチン」というたんぱく質ですが、これは髪の毛の成分と同じです。髪の毛が毎日少しずつ伸びているように、爪も伸びています。ただし、神経は通っていないので、切っても痛くはありません。

高齢になると、髪の毛は白髪になったり細くなったりしますが、爪にも老化現象が現れます。
それが、「爪甲縦条(そうこうじゅうじょう)」と呼ばれる白い縦線です。

もともと爪甲縦条は誰にでもあるものですが、若い世代の爪はピンク色をしていて艶があり、縦線は目立ちません。

しかし、加齢とともに目立つようになり、指先が乾燥していると、さらに目立つようになります。

この縦線は、完全に消すことはできませんが、ハンドクリームを爪とその周辺の指先まで、まめに塗るようにしたり、爪の周囲をマッサージすると改善することができます。

また、良質なタンパク質やビタミンB群の豊富な食品を積極的に食べるようにすると、爪の健康にも役立ちます。

このように、白い縦線の場合は特に病気ではないので心配ありませんが、黒い縦線が急に現れた場合は皮膚がんの一種である「メラノーマ(悪性黒色腫)」の可能性があるので、至急皮膚科を受診してください。