人はなぜ老いるのか・老化の原因とは?

「いつまでも若くいたい」というのは万人の願いですが、年を重ねるにつれ老化は全ての人に訪れます。

「人はなぜ老いるのか」「老化の原因は何なのか」については、まだ完全に解明されていませんが、現在のところ、主に次のようなことが考えられています。

老化の原因

●老化や寿命の情報がプログラムされている
人の身体を構成している細胞は、生きている限り細胞分裂を繰り返しています。

しかし、無限に分裂が繰り返されるわけではなく、細胞の遺伝子に老化や寿命の情報がプログラムされていて、分裂できる回数があらかじめ設定されているものと考えられています。

また、染色体末端にあるテロメアが細胞分裂のたびに短かくなって行き、一定の長さ以下になると細胞分裂が停止して老化や寿命につながるという「テロメア説」もあります。

 

●ホルモン分泌の減少
身体のさまざまな機能を調整しているホルモンは、微量ですが生命活動にはなくてはならない物質です。

特に成長ホルモンは、青年期まで多く分泌されますが、30歳を過ぎる頃から徐々に減少し、身体のあちこちに老化現象と言われる変化を引き起こします。

また、男性または女性のそれぞれの特徴を作り出す性ホルモンは、更年期の頃から急激に減少し、それが細胞の機能低下につながり、身体の老化を早めます。

 

●活性酸素によりダメージを受ける
私たちの身体は、呼吸によって取り入れられた酸素を使ってエネルギーを作り出していますが、この酸素のうち約2%は、強い酸化作用を持つ活性酸素に変わると言われています。

この活性酸素は、強い攻撃力を持ち、体内に侵入したウィルスや細菌を退治するという役割があります。

しかし、活性酸素が増えすぎてしまうと、健康な細胞まで酸化して変質し、ダメージを受けた各部の機能が衰えてしまうため、老化を促進すると考えられています。

活性酸素を過度に発生させる要因としては、呼吸のほか紫外線、大気汚染、電磁波、農薬、食物添加物、喫煙、ストレスなどが考えられています。

 

●身体が糖化する
体内の糖質は身体のエネルギー源として重要ですが、摂りすぎて余分な糖は、タンパク質と結びついて「AGEs(糖化最終生成物)」という老化物質を生成します。

これが「糖化」という作用ですが、生成された「AGEs」が体内のあちこちに溜まることにより、さまざまな老化現象を引き起こします。

血管に溜まれば血管がもろくなったり、動脈硬化の原因にもなり、肌に溜まればシワやくすみ、たるみなどの原因になります。

また、骨粗しょう症や糖尿病、白内障、アルツハイマー病などの原因になることもあります。

糖化は、血糖値が高いと促進されるため、血糖値が高くなり過ぎないよう、コントロールすることが大切です。

 

●免疫力が低下するため
さまざまな病気やケガから身体を守っている免疫力は、20歳前後でピークを迎え、その後は加齢とともに徐々に低下して行きます。

免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなったり、病気になった場合に治りにくくなります。

病気自体が身体にダメージを与えたり、気分が落ち込んだり、食欲がなかったりという状態が長引くと、身体全体を弱らせ、老化を促進させてしまいます。