空腹は健康のための貴重な時間

人はお腹が空くと、すぐにでも何かを食べたくなります。
1日3食以外におやつを食べたり、お茶を飲んだりしていますが、時には胃の中を空っぽにする「空腹」の時間を持つようにすると、健康にはとても良い影響を与えます。

食事をすると、胃は1分間に3回くらいのリズムで収縮を繰り返し、内容物を細かくしたものを十二指腸へ送っています。これが「消化」という作用ですが、消化が済むと胃の中は空っぽの状態になります。

その後、胃の中が空っぽの状態になってから70~80分後に、今度は食後よりも強い収縮の波がやってきます。これは「空腹期の強収縮」と呼ばれる現象で、胃腸の中に残っている食べ物のカスや古い粘膜をきれいにするために起こると考えられています。

この強い収縮の時に腸管内のガスが動くと、お腹が「グーッ」と鳴りますが、これが空腹のサインとも言えます。

そして、空腹によって刺激された胃粘膜から「グレリン」というホルモンが分泌されますが、このグレリンは脳の視床下部に働きかけて食欲を出させると同時に、「成長ホルモン」の分泌を促進します。

成長ホルモンは、子供の成長期に最も多く分泌されますが、大人でも高齢者でも分泌されます。

成長ホルモンの分泌が促進されると、新陳代謝が活発になるため、「肌がきれいになる」「免疫力がアップする」「疲労回復が早くなる」などの効果が期待されることから、別名「若返りホルモン」と言われています。

このように、「お腹が空いた」と感じる時間は、胃腸の中がきれいに掃除され、若返りホルモンが分泌される、とても貴重な時間と言えます。

健康のためにも、常に胃の中に食物が入っているよりは、1日のうちに何回か空腹の時間を持つようにしましょう。