具体的な老化現象の種類

私たちの身体には、加齢に伴いさまざまな老化現象が現れます。少しでも老化を遅らせるためにも、どのような老化現象があるかを知っておきましょう。

老化現象の種類

●体の老化
年を経るにつれ、私たちの身体は微妙に変化して行きます。

骨や筋肉が弱くなるため、背中が丸くなったり腰が曲がる場合もあります。骨密度が減少して骨折しやすくなったり、骨粗しょう症になることもあります。

体型的には、お腹が出てきて、いわゆる「中年太り」の体型になったり、女性の場合はバストやヒップのたるみなども見られるようになります。

また、体力が減少したり、疲れやすくなったりするほか、免疫力の低下のため病気や感染症にかかりやすくなります。

 

●肌の老化
肌の老化は、最初に顔に現われます。

皮下脂肪が減少し皮膚表面も乾燥しやすくなるため、シワができたり増えたりします。

紫外線の影響でシミができたり、顔の筋肉の衰えによって顔全体がたるんだり、ほうれい線ができたりします。

顔以外にも、首や手にシワや肌荒れが見られるようになります。

また、新陳代謝も低下するため、肌に何らかのトラブルが起きても、修復されるまでに時間がかかるようになります。

 

●髪の老化
髪の毛の老化は個人差がありますが、一般に血管の収縮や血流量の低下により、抜け毛が増えるようになります。

髪の毛が抜けて生え変わるまでのヘアサイクルも変化して来るため、抜け毛や脱毛のスピードが速くなると、薄毛や禿げの症状となって現われてきます。

また、髪の毛のハリやツヤがなくなったり、白髪が増えてくるなどの老化現象も現われます。

 

●脳の老化
脳の老化は、他の部分に比べてゆっくりですが、脳そのものが少しずつ萎縮して行きます。

脳の神経細胞は、30歳を過ぎた頃から1日に1~10万個単位で減って行くと言われ、神経細胞同士の情報ネットワークも弱体化して行きます。

その結果、記憶力や集中力の低下、注意力の低下という現象として現われます。

ただし、脳の老化は筋肉と同じで、積極的に使うようにすればある程度防ぐことができます。

 

●目の老化
目の老化の代表的なものは、「老眼」です。

この老眼は、加齢に伴い眼球内のレンズの役割を持つ「水晶体」の弾力性が徐々に低下し、近くのものがはっきり見えなくなるのが原因です。

また、水晶体が濁り光を通しにくくなることから視力低下を引き起こす「そこひ(老人性白内障)」や、角膜の周囲に、脂肪などが沈着して濁る「老人環」なども目の老化現象です。

その他、疲れ目やドライアイ、目のかすみなどの症状も出やすくなります。

 

●歯の老化
歯の老化のスピードは、個人差がありますが、歯や歯ぐきがもろくなったり、免疫力の低下から虫歯や口内炎にかかりやすくなります。

虫歯が進行して痛みが出るようになると抜歯することになりますが、歯を失った後は、いくつかの治療法があります。

しかし、最終的には義歯を使用する人が多いようです。

 

●耳の老化
聴力は20歳の頃から徐々に衰え、50代以降では多くの人が聴力低下を自覚するようになります。

音を感じ取る内耳のコルチ器官や、音の刺激を脳に伝える蝸牛神経伝導路などの機能低下によるもので、小さな音(特に高音)が聞こえにくくなります。

これが耳の老化による「老人性難聴」で、程度の差はあっても誰にでも訪れるとされています。